2020年12月
ときはコロナ禍。
カルチャー界隈では、配信ライブやリモートセッションが流行しているように見えました。
ライブハウス行くより見やすいし、録画残るし、コメント流れて楽しいし、こんな感じでいいのかもなーとは全く思いませんでした。
だって、聞くより見るよりやった方が楽しいし。やってからだともっと深く見たり聞いたりできるし。
消費者より生産者がエライという話ではなくて、せっかくミュージシャンたちがいろんなことを考えてオンラインのプラットフォームにコンテンツを乗せるという新しい楽しませ方を試みてくれているのだから、それにいくらかでも応答した方がいいのではないか、ということです。「買う」という仕方に加えて、「作る」という仕方で。
それで僕たちが大事にしたかったのは、
「この村だからできること」、それから、「いまあるつながりに別のつなぎ方を試してみること」
でした。
この村だからこそできると考えたのは、次のようなことです。
- 音楽好きのギター工場の職員たちを巻き込むこと
- 中学校の吹奏楽部の生徒たちに音楽の機会を作ること
- コロナ禍ではあっても村内限定での活動は自由度が高かったこと
- 無料で使える練習スタジオが公共施設にあること
- 以外にも音楽経験者が身近にたくさんいること
などなど
このような村の利点をまとめながら、
これまでは届かせようともしていなかったソト側に僕たちの「音」を発信していくためには、
僕たちが持っているつながりに加えてわざわざ新しくつながりを作ろうとするのではなくて、
これまでとは別の仕方の接続の仕方が大事だと考えました。
というか、むしろそれで十分なはずだと考えました。
つながりのないスゴイ人にわざわざアプローチして頼るよりも、自分たちがすでに持っている人脈のなかで、これまでつながってなかった人たちをつなげたらそれでOK。
そこで思いついたのは、西興部・東京・新潟でした。
新潟にはRYUTistがいます。
ガコッパーは以前からRYUTistと強い結びつきがあります。
それから、吉祥寺にあるレコーディングスタジオGOK SOUNDとのつながりもありました。
それぞれにつながっていた回路をまとめてつなげてみる。
これで企画の大枠ができあがったのです。
西興部でまずは音を作る。
その音を録音する。
吉祥寺で音を調整する。
新潟に音を送る。
新潟の声を入れる。
最後にみんなで聞く。
三つの場所がつながって、ひとつの成果ができあがる。
もしかしたらその過程を見た誰かが今度は、一緒にあれやろうこれやろうと言ってきてくれるかもしれない。
そんな話を仲間内でしたかどうかは忘れましたが、そんな思いがこの企画にはこもっています。